
その日、私たちはこの夏でもっともデートらしいデートをしたのだ。
これでもか、というくらい夏らしい日で、
目的地はこの天気にうってつけの江ノ島。
待ち合わせをして、鎌倉のカフェでランチをして、
フリーパス(のりおりくん)を購入して江ノ電に乗り、
海や景色を求めて気ままに電車を降りた。
由比ヶ浜で波と追いかけっこをして、
鎌倉高校前ではホームから海を眺めつつ、
「高校のころの恋愛のこと、教えて?」と、
代わりばんこに秘密を話して、
江ノ島で、”恋人の丘”から夕日を眺めた。
・・・女子と。
彼女はcanon、私はNikonの一眼レフを携え、
「江ノ電とその風景」を撮りに出かける、という旅。
「露出がうまくいかないなあ」「絞りを開きましょう」などど
ねちっこい言葉をやりとりして撮った写真をチェックしあい、
「いとうさん江ノ電きました!!」「デザインがさっきと違うから押さえておこう!」とか
「ここで制服カップルが来ればいい構図なのに」
とか言いながらシャッターチャンスをうかがう私たちは
いわゆるテツコなのだと思う。

同じ会社にいたころはなんとなく距離を感じていた彼女なのに
お互い会社を辞めてからは、互いの家を行ったり
一緒に料理したり、仲良しになってしまった。
不思議な縁だよ、まったく。

大好きだった前の会社が懐かしくなることもあるけど
こうやってつながっていられる人にほっとする夏。
